有家 香1
1亀田医療大学看護学部看護学科
本研究の目的は、新人看護師が不安や悩みを抱えながら臨床現場で看護技術を実施する際に体験している出来事とそれをどのように捉えているのか明らかにすることである。 新人看護師8名を対象として、新人看護師の体験とその捉え方を明らかにするために参加観察と半構成的インタビューによる質的記述的研究を行った。得られた全てのデータから解釈し、解釈したデータを再構成して記述し、テーマを探り、テーマをもとに新人看護師の体験の捉え方を分析した。その結果、新人看護師がまず体験していたことは、「異次元」に居ることであった。新人看護師は、異次元に入り看護基礎教育で身につけた看護技術手順と、入職時に教えられた病棟ルールを頼りに日々援助を繰り返していた。そして、ロールモデルであり、評価者である先輩看護師とケアしケアされる存在である患者の支えにより自分に自信が持てるようになり、看護技術が身についてきたと新人看護師は捉えていた。 |