種子島 ゆかり1
1愛知県厚生農業協同組合連合会 加茂看護専門学校
本研究の目的は、膝関節へのホットパック温罨法による下肢温度と疼痛、こわばりの変化を明らかに することである。膝関節痛があり自立した日常生活を送る高齢者21名にホットパック温罨法を30分間行 い、生理学的指標として表面温度と深部温度測定、心理的指標として視覚的評価スケールVisual Analog Scale(VAS)と疾患特異的・患者立脚型変形性膝関節症患者機能評価尺度Japanese Knee Osteoarthritis Measure(JKOM)《痛みとこわばり》の7項目を用いて、痛みとこわばりについて介入前後の比較を 行った。その結果、表面温度は開始20分後に、深部温度は開始30分後に最高値となった。痛みについて、 介入前のVAS平均値31.90±18.58、介入後は19.00±19.59で有意な低下が認められた。JKOM尺度の〔起き て動き出すときの膝のこわばり〕〔起きて動きだすときの膝の痛み〕〔階段を昇る時の膝の痛み〕〔階段を 降りる時の膝の痛み〕〔しゃがみこみや立ち上がりの時の膝の痛み〕〔立っている時の膝の痛み〕の6項目 に有意な低下が認められた。膝関節温罨法は、20〜30分間必要であり、痛みとこわばりの症状改善に有効 であることが示唆された。 |