日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2016
巻 :16
号 :1
頁 :41〜46

1年次前期の基礎看護学実習が 初期学生の「学び」と職業に対する「思い」に及ぼす影響

相撲 佐希子1

1愛知きわみ看護短期大学

 基礎看護学実習における体験が、初期学生の「学び」や職業に対する「思い」に及ぼす影響について明らかにすることを目的に、基礎看護学実習を履修した78名に、実習終了後に実習での体験や実習達成度の自記式質問紙調査を行った。その結果、職業に対する「思い」については、自ら看護職を選択して入学した学生は約70%を占め、入学後から基礎看護学実習前までの間に職業に対する思いが低下した学生はわずか8.3%のみであった。また、基礎看護学実習終了後には、約60%の学生が看護師になりたい気持ちが「高くなった」と示していた。 以上から基礎看護学実習は、学生の看護師になりたいという職業に対する「思い」を高めることや困難感から得た「学び」を達成するための新たな目標を設定するきっかけになることが明らかとなった。したがって、早期に基礎看護学実習を実施していけば、このような自己の学習の在り方について、早い時期に見直すことになるため、その後の学習に対する良い動機づけとして効果があると示された。そして、学習動機が学習意欲として継続できるような関わり方を検討する必要があると示唆された。
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