小林 洋子1、前田 久美子2、小原 真理子3、大和田 恭子4、谷岸 悦子5
1日本赤十字豊田看護大学、2元日本赤十字社幹部看護師研修センター、3日本赤十字看護大学、4日本赤十字社医療センター、5東京家政大学
赤十字の災害における救護活動の実績と歴史は、国内外で認められているが、今日まで実践してきた赤十字の災害看護について看護師が伝えてきた事柄は明らかにされていない。東日本大震災の救護活動に従事した看護職22名を対象に、赤十字の災害看護について、後世に伝えていく大切にしてきた事柄を明らかにすることを目的に半構成的面接を行った。面接データは質的に分析した。災害看護において伝えていく大切にしてきた事柄は、【常に、災害救護活動に応える】、【常に、対象を気に掛ける】、【一丸となる】、【災害救護活動、被災者に育てられる】の4つのコアカテゴリーが導き出された。これらは、平常時から災害時を循環する関係であることが示された。また、【常に、対象を気に掛ける】、【一丸となる】は三陸海嘯における赤十字の救護活動方針や佐野常民(日本赤十字社創設者)の訓示を引き継いでいると考えられた。さらに【災害救護活動、被災者に育てられる】は、本研究において大切にしている事柄として明らかにされた。 |