谷地 和加子1
1岩手県立大学 大学院 看護学研究科
乳がん患者のComfort(安楽)の概念分析を行い,看護介入の視点への示唆を得ることを目的とした.方法は,Schwartz-Barcott & Kimのハイブリッドモデルを用いて概念分析を行った.理論的段階では24 文献を対象とした.フィールドワークの段階では,乳がん患者4名にインタビューを行った.結果,Comfort(安楽)の概念は,【乳がんそのものや治療による身体的苦痛の和らぎを感じる】【穏やかな気持ちでいる】【身近な他者と相互に影響し合うことにより自己存在の意味を見いだす】【家族のサポートや受容により家族との絆を認識する】【女性らしさ,女性性に対する自信の回復や自分らしさの回復の実感がある】【安楽に存在しうる自分の可能性や力への気づきを得る】の6つの要素で構成されていた.乳がん患者のComfort(安楽)の特徴である【女性らしさ,女性性への自信の回復,自分らしさの回復の実感がある】への支援は,情緒的な関わりを通して,患者に寄り添い,個別を見極め,タイムリーな関わりが必要となる.それには,女性の健康支援や性への支援の専門家である助産師の活用も提案できる. |