福井 里美1
1首都大学東京大学院 人間健康科学研究科看護科学域
〔目的〕がんの終末期場面の看護で,やりがいを感じる経験とは何かを明らかにすることが目的である.〔方法〕がん終末期の場面の患者への看護の実践経験が多くあるまたはそれを専門領域と自認する専門看護師及び認定看護師11名に半構造化面接をし,質的帰納的に分析をした.〔結果〕96コードから9つのカテゴリ,4つの最終テーマを得た.テーマの1つ目は〔看護の可能性を追求する〕,〔苦痛軽減に貢献する〕などのカテゴリを含む【苦痛の少ないその人らしい在り方を追求した成果】,2つ目は〔大事な時を共有したことを誇らしく思う〕,〔患者の生き方からの学びで人生観が広がる〕などの【人生最期の大事な時を共有する感動と誇り】,3つ目は【家族・医療スタッフの一体感】と最後は【医療チームメンバーの成長】であった.〔結論〕やりがい経験として,看護師自身及びチームが症状緩和に貢献したこと,その追求,人生最期をともにする感動と誇りが明らかとなった. |