日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2020
巻 :20
号 :1
頁 :102〜108

病棟の安全文化を醸成するための病棟師長のコンピテンシー

近森 清美1、村瀬 智子2

1名古屋第一赤十字病院、2日本赤十字豊田看護大学

 本研究の目的は,病棟の安全文化を醸成するための病棟師長のコンピテンシーを明らかにすることである.600〜800床以上の病床数を有するT県下の特定機能病院で,看護管理研修に参加経験のある病棟師長4名を対象に,半構成的面接法を用いて質的記述的研究を行った.分析の結果,病棟の安全文化を醸成するための病棟師長のコンピテンシーは,52のカテゴリーから6つのコアカテゴリーに集約された.病棟の安全文化を醸成するための病棟師長のコンピテンシーは,【看護師と共に創り出す安全文化醸成への支援】を中核とし,【人を大切にした支援】が全てのコンピテンシーを支える基盤となり,【リスクを予測した労務管理】,【組織内外の能動的な環境整備】,【医療安全管理者としての役割遂行】,【安全管理能力のある看護師育成を目指した支援】が相互に関係し合っていた.病棟師長は,コンピテンシーを駆使し能動的に行動していることが明らかになった.
論文(PDF)を表示