日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2020
巻 :20
号 :1
頁 :109〜115

訪問看護ステーションにおける複数名による精神科訪問看護の実施状況

初田 真人1、村瀬 智子1

1日本赤十字豊田看護大学

 平成22年度の診療報酬改定により訪問看護ステーションにおける複数名による精神科訪問看護の評価が新設されているが,その後の実施状況は明らかになっていない.本研究は,複数名による精神科訪問看護の実施状況および管理者が認識している実施目的と効果を明らかにすることを目的とした.全国の訪問看護ステーションを対象とした質問紙調査を行い,量的データは記述統計を用いて,複数名による精神科訪問看護の実施目的と効果の自由記載については質的に分析した.その結果,全国の訪問看護ステーション1,721箇所における精神科訪問看護の実施率は41.0%,複数名による精神科訪問看護の実施率は全体の7.3%であった.また,自由記載についての分析の結果,実施目的として8カテゴリー,効果として7カテゴリーが生成された.複数名訪問による濃厚なケアが利用者の地域生活を支え,訪問看護師の安全確保や訪問看護技術の継承につながることが考えられた.
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