木村 勇喜1、百田 武司2
1広島赤十字・原爆病院、2日本赤十字広島看護大学
目的:緊急入院した高齢者で,せん妄回復時に消失したせん妄発症要因を明らかにする.方法:緊急入院した65歳以上の患者で,せん妄評価尺度(ナース版)において,せん妄を発症した35人を対象に,診療録から調査を行った.結果:せん妄回復時に消失したせん妄発症要因は,「疼痛」,「発熱」,「血清クロールの異常」,「ベンゾジアゼピン系薬剤の使用」,「侵襲の多い検査・処置」,「経皮的酸素飽和度の異常」,「治療拒否の訴え」,「不安の訴え」,「不眠の訴え」,「時計の不設置」がせん妄発症時に比べ,せん妄回復時で有意に少なかった.結論:緊急入院した高齢者のせん妄回復時に消失したせん妄発症要因が明らかになり,せん妄発症後,せん妄回復に向けた看護援助の方向性の示唆となった. |