佐藤 直子1
1日本赤十字看護大学大学院博士後期課程
本研究は,日本の医療提供体制に伴う計画的な病院統合・病棟再編において何が起こっているかを明らかにした研究の動向を探り,今後に必要な研究の示唆を得ることを目的に,「病院統合」,「病棟再編」などをキーワードにして得られた国内の原著論文12文献を対象に文献検討を行った.その結果,文献は2002年以降から発行され,明らかにされている内容は,「取り組みとその評価」,「看護職の行動」,「看護スタッフへの影響」,「看護スタッフの認識」に大別され,看護スタッフへの影響を明らかにしたものが多かった.病院統合・病棟再編に関する研究報告は,未経験で不確実性を伴う病院統合・病棟再編を行う際に重要な視点を提供する.また,看護スタッフにストレスや不安を与えるが,時間の経過と共に役割を受け入れ積極的に活動し始めることが明らかとなっていた.そのために,看護管理者の支援は重要であるが,看護管理実践に焦点をあてた研究は少なく,今後の課題である. |