第66回日本腎臓学会学術総会


登録番号:20167
演題番号:P-178
発表日:2023/06/10
時刻:11:00〜12:15
会場:ポスター会場(3階 303+304)
発表セッション記号:067
発表セッション名:二次性糸球体腎炎2 ポスター
発表セッションサブタイトル:
座長名:武井 卓、
座長所属:東京都健康長寿医療センター腎臓内科、

臨床個人調査票による全身性エリテマトーデスにおける腎病変の疫学調査:更新申請患者の解析

池内 秀和1、木村 友則2、坂手 龍一2、丸山 彰一3、成田 一衛4、廣村 桂樹1

1医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患研究開発・支援センター、2医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患研究開発・支援センター、3名古屋大学腎臓内科、4新潟大学腎・膠原病内科

【目的】全身性エリテマトーデス(SLE)患者の指定難病更新申請時における活動性腎病変の有無、合併症、治療を検討する。【方法】2016年にSLEの指定難病として更新申請された臨床個人調査票のうちデジタルデータ化された35,207例(平均発症年齢 33.7±15.2歳、平均申請時年齢 51.1±15.7歳)を対象とした。腎病変有は申請前半年間の重症度(SLEDAI)の蛋白尿有または尿円柱有と定義した。【結果】活動性の腎障害有 8,273例(23.5%)、腎障害無 26,934例(76.5%)であった。各種項目について活動性腎病変の有vs無の比較を行い、P<0.001のうち主なものを示す。患者背景:女性(%) 84.3 vs 90.5。合併症:感染症(%) 14.6 vs 10.6、糖尿病(%) 16.2 vs 11.2、高血圧(%) 43.6 vs 25.6。平均SLEDAIスコア 14.8±9.4 vs 7.0±6.4。治療:平均最大ステロイド(プレドニゾロン換算、mg/日)15.6±16.5 vs 11.7±13.6。免疫抑制薬(%) 60.6 vs 43.8であった。【結論】指定難病更新時のSLE患者の約1/4に活動性腎病変がみられた。活動性腎病変患者では高血圧の合併率、ステロイド量が多く、免疫抑制薬使用頻度が高かった。