日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2005
巻 :5
号 :1
頁 :60〜69

3カ月児をもつ父親の育児行動と育児に関する学習および態度との関連

高瀬 佳苗1、河口 てる子2

1日本赤十字看護大学大学院、2日本赤十字看護大学教授

この研究の目的は、3カ月児をもつ父親の育児行動と育児に関する学習および態度との関連を明らかにすることである。先行研究を参考に研究者が作成した質問紙を用いて3カ月児をもつ父親151人に調査を行い、以下の結果が明らかになった。1.子どもの数が多くなると対象者の育児行動は少なくなる(ρ=-,291〜ρ=-.320)。しかし、対象者の職業や最終学歴、妻の職業の有無や祖父母との同居の有無、対象者の帰宅時間や休日の有無による差はみられなかった。2.育児に関する学習は、育児に関連した態度と弱い関係があった(τ=.202〜τ=.303) 。3.育児に関連した態度と対象者の育児行動には、やや強い関係がみられた(τ=.201〜τ=.489)。4.育児に関する学習と対象者の育児行動は、弱い関係があった(τ=.211〜τ=.370) 。5.対象者は、実父がしていた家事行動を学習し、同じような家事行動をしていた。また、実父との直接経験が対象者の子ども好きの感情に影響を与えると推測された。本研究より、育児に関する学習と育児に関連した態度は相互に関係があり、かつ、対象者の育児行動と関係すると考えられる。
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