日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2005
巻 :5
号 :1
頁 :106〜116

看護職者のキャリア形成にむけた学習ニーズの分析−九州ブロックN系病院9施設における調査−

寺門 とも子1、本田 多美枝1、山本 捷子1

1日本赤十字九州国際看護大学

本研究の目的は、九州ブロックN系病院における看護職者のキャリア形成にむけた学習ニーズの実態を明らかにし、経験年数との関連を分析することであった。「対象者特性」、「社会的支援」、「キャリア志向」、「学習ニーズ」について、独自に作成した調査表を用いて調査を行い、統計的手法による分析を行った。研究対象者は9病院に勤務する看護職者482人で、年齢は平均31.9歳、経験年数は7ヶ月〜42年(平均10年)であった。結果、社会的支援は比較的得られており、キャリア志向においては、看護職者の約6割以上は職務満足が高く、職業継続意志をもっていた。また、学習活動は院内研修を中心に活発に行われていた。学習を希望するトピックスとしては、医学的知識、人間的な尊厳、人と人との関係性、科学的な看護を志向するものが多くあげられ、これらは経験年数によって特徴がみられた。今後は、要因間の分析を積み重ね、看護職者の学習ニーズの構造を明らかにすると共に、キャリア形成へと具体的につなげていくための支援について考察を深めていくことが課題である。
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