日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2005
巻 :5
号 :1
頁 :138〜142

在宅で長期間膀胱留置カテーテルを挿入していることに対する患者の思いと行動−患者2名からQOLの変化について考える−

瀬平 尚美1、五月女 友香1

1深谷赤十字病院

在宅で長期間膀胱留置カテーテル(以下、留置カテーテルと略す)を挿入していることは、QOLの低下をきたすことが懸念される。今回、在宅で長期間留置カテーテルを挿入している患者の思いと行動を明らかにすることで、QOLの向上に関連した示唆が得られることを目的とした。在宅で留置カテーテルを挿入している患者2名に対して、在宅生活で生じた思いと行動について半構成的面接法を実施した。今回の研究で、2名とも留置カテーテルを挿入していることに対し、人に知られたくないという気持ちがあった。排泄行為は恥ずかしいことで、人目を避けたいという思いは誰しもが持っている要求であることを理解し、その思いに敏感に反応すべきである。個々の思いを傾聴し、個人に合わせた関わりを持つことが必要となる。排泄用品に対し、実際に使用した患者の状況としては不便があるという思いを知ることができた。したがって、患者のニーズを理解し個人に合った排泄用品を考えていかなければならない。この研究をもとに、患者のQOLを向上させる為に、患者の背景を理解し、思いを傾聴することで個人に合った援助を提供することが必要だと学んだ。
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