日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2006
巻 :6
号 :1
頁 :62〜70

糖尿病の食事療法にかかわるつらさ尺度の信頼性・妥当性の検討

西片 久美子1、河口 てる子2

1日本赤十字北海道看護大学、2日本赤十字看護大学

本研究では、糖尿病の食事療法にかかわるつらさ尺度を開発し、その信頼性と妥当性を検討することを目的とした。食事療法にかかわるつらさを、糖尿病の食事療法に関連する心理的耐えがたさや困難さと定義した。 文献検討および患者インタビューより尺度原案22項目を作成、外来患者200名に予備調査を行い111名分を分析対象とした。主成分分析により9項目の一次元スケールを作成、ファイナルスケールとした。 400名を対象とする本調査で信頼性・妥当性の検討を行った。251名より回答が得られ、クロンバックα係数0.84、再検査法でr=0.80と内的整合性、安定性ともに高い信頼性を有していた。妥当性は、糖尿病看護を専門とする研究者と内容妥当性・表面妥当性を検討し、さらに日本語版PAIDを用いて基準関連妥当性を検討、0.71と良好な結果を示した。以上の結果より、本尺度は臨床で活用可能な尺度であると判断した。
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