日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2007
巻 :7
号 :1
頁 :91〜95

男女混在の救急病室に入院した患者の体験

持田 実紀1、塚越 恵 塚越 恵1、佐藤 清史1

1深谷赤十字病院

 緊急入院をする救急病棟において、緊迫した環境にいる患者は身体的にも精神的にもストレスが高いことが予想されるが、同室者と過ごすなかで患者がどのような体験をしているのかについて明らかにした研究は少ない。今回、緊急入院後に男女同室の部屋に入室せざるを得なかった患者の体験を明らかにすることを目的に研究を行った。研究協力の同意が得られた5名の参加者へインタビューを行い、類似点、相違点などを分析した。その結果、緊急に男女同室の病室へ入院せざるを得なかった患者は、その環境を「あり得ない」と感じ、「何が起きているのか分からない」状況のなかで過ごさねばならず、自分の生活音や治療・処置などを「聞かれたくない、見られたくない」と思っているが、この状況を「仕方がない」とあきらめていたことが明らかにされた。これらの結果より、患者への説明内容および説明時期の考慮、また、プライバシーへの配慮の重要性が示唆された。
論文(PDF)を表示