日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2008
巻 :8
号 :1
頁 :51〜59

看護師の疲労と生活習慣・自己効力感に関する研究(第1報)−疲労と生活習慣・自己効力感の分析−

市江 和子1、水谷 聖子1、西川 浩昭1、小西 美智子1、斉藤 公彦1、伊藤 安恵2、加藤 明美3

1日本赤十字豊田看護大学、2名古屋第二赤十字病院、3豊田会 刈谷豊田総合病院

 本研究は、看護職員における生活習慣、疲労感、勤務状況および自己効力感を調査し、それぞれの関連性を検討することで、看護職員の自己効力感を高め、疲労軽減策への基礎資料を得ることを目的とした。2006年10月、1,137名の女性看護師を対象に意識調査を実施した。2施設1,002名を有効とした(有効回答率88.1%)。調査内容の疲労については蓄積的疲労徴候インデックス(CFSI)、自己効力感は一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)を使用した。 結果として、1)CFSIの「慢性疲労徴候」、「一般的疲労感」が高く、一般女性労働者、医療労働者とを比較しても、対象とした看護職の蓄積的疲労徴候は強かった。2)生活習慣と疲労感には関連がみられた。3)自己効力感得点は一般成人女性より低く、自己効力感が低い者は疲労感が高かった。これら、疲労に関連する要因を検討し、疲労軽減策の対応を考察する必要性が示唆された。
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