荒井 清香1、今野 愛子1、船木 里子1
1北見赤十字病院
本研究の目的は、妻が切迫早産で入院したことに対する夫の思いを明らかにすることである。研究参加者は、妻が切迫早産で妊娠20週代に入院となり、1〜2週間経過した初産婦の夫3名である。データ収集は半構成的面接法を用いた。分析は夫の思いがよく表れている部分を抽出し、意味のあるまとまりごとにまとめてカテゴリー化を行った。その結果、<夫自身に関する思い>、<妻への思い>、<胎児への思い>、<医療者への思い>の4つのカテゴリーが抽出された。妻が切迫早産で入院している夫は、妻と生活空間が分離することで生活への対応に追われ、心身ともに負担が生じていた。また、妻と医療者に対して距離を感じていた。このような夫に対して、看護者が夫の面会時に声をかけ、入院時から夫のことも気遣っていることを伝え、夫の努力を理解して支持することは大切である。看護者が夫と信頼関係を構築することにより、夫の精神的負担は軽減し、妻が安心して入院生活を送ることにつながる可能性がある。 |