日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2008
巻 :8
号 :1
頁 :74〜80

A病院における看護職の研究に関する実態調査−困難と感じる要因と支援方法−

加納 典子1、福田 由紀子2、桂川 純子2、根倉 美矢子1、安井 清美1、南平 好美1、澄川 美智1、奥村 潤子2、小林 純子2、杉浦 美佐子2

1名古屋第一赤十字病院、2日本赤十字豊田看護大学

 臨床看護師が看護研究を行う際、必要とする支援内容の把握を目的として、看護職649名を対象に、質問紙調査を行い(有効回答率50.8%)、看護職が必要と考える研究支援内容について、看護研究の「経験者群」と「未経験者群」の2群で比較・分析した。 看護研究を実施する際に「経験者群」は、「時間的余裕がないこと」、「適切な指導者がいないこと」を困難と感じており、臨床での業務に追われ、研究に取り組む時間を確保できない、あるいは、適切な時期に適切なアドバイスを得られにくかったという現状が示唆された。「未経験者群」は、看護研究の導入部分、基本的な知識等で困難を感じている者が多かった。 支援方法として「経験者群」では個別的・実践的な指導体制が必要であり、推進委員会は研究者−指導者間のコーディネートなど、研究者の能力を最大限に発揮できるような支援が必要である。「未経験者群」には、研究の基本的な考え方や知識を教育し、研究に対する動機づけがまず必要である。さらに両群とも業務時間内に研究に使用できる時間を確保するなど環境調整が必要であった。
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