日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2010
巻 :10
号 :1
頁 :1〜10

看護専門職の自律性に関する要因の分析‐一般属性、看護職自身および部下が評価する看護師長のリーダーシップとの関連‐

山口 佳子1

1日本赤十字北海道看護大学

本研究は看護専門職の自律性に関する要因として、一般属性や看護職自身のリーダーシップ、さらには上司である師長との関係が影響するのではないかと考え、看護師長の自分に対する態度、部下が評価する看護師長のリーダーシップとの関連を明らかにした。調査は地方都市にある一施設において、免許取得後2年以上を経過する看護職144名に実施し、128部(有効回答率88.9%)を分析対象とした。看護専門職の自律性は5 つの下位項目をもつ「看護師の自律性尺度」(菊池ら,1996)を使用した。また,リーダーシップは4 つの下位項目をもつ「看護師長のリーダーシップ(短縮版)」(藤崎ら,2003)を使用した。 以上、本研究における看護職は、自己の自律性形成は、看護体験の積み重ねや看護力などあくまで個人の資質によるものであるとし、組織からの影響はほとんど受けないと考えていることが明らかになった。これにより、看護専門職の自律性の形成、向上のために、看護職は自己啓発や教育の機会を獲得すべき努力をすると同時に、看護管理者は教育的介入方法の検討が必要であることが示唆された。
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