日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2010
巻 :10
号 :1
頁 :11〜15

看護者の視点から見た看護師長の管理者行動

長内 佐斗子1、川上 潤子1、天野 幹子2

1日本赤十字社医療センター、2さいたま赤十字病院

この研究の目的は、看護者から見た病院組織のミドル・マネジャーである看護師長の行動特性を明らかにすることである。そのために、金井が考案した管理者行動サーベイを用いて調査した。4つの総合病院の看護部長、看護副部長、看護師長、准看護師を除く、看護者1320名に調査票を郵送し581名より回答を得た(回収率44%)。その結果、職場活性化タイプの「相互支持性」、管理者行動の「方針伝達」の平均値が高く、職場内では上司を含め、自由、率直に情報伝達やアドバイスが行われていると示唆された。一方、職場活性化タイプの「主体的挑戦性」、管理者行動の「戦略的課題の提示」「緊張醸成」の平均値が低いことから、管理者は病院を取り巻く環境を考慮して、自らの目標を高く持ち課題に取り組むことには消極的であることが示唆された。今後、職場を変革する看護師長には、職位のパワーを使うことだけではなく、部下とともに課題に取り組むことが求められる。
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