日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2010
巻 :10
号 :2
頁 :11〜18

新生児訪問指導を考える−4か月児を持つA市の母親の状況と母親意識から−

吉田 なよ子1

1県立広島大学 保健福祉学部

本研究は、A市に在住する母親の分娩前後の生活、新生児訪問指導や4か月時の母親意識を調査・考察し、新生児訪問指導の基礎的資料とするもので、質問紙を251部配布し212の有効回答を得た(回収率86.4%)。その結果、分娩前は自宅で生活し、近くの産院で分娩し、産後は実家で4〜5週滞在する傾向にあった。訪問指導時期は7〜8週目に集中し、有効であった内容は児の計測、市の保健サービス、予防接種についてであった。他の都市で新生児訪問指導を受けた母親はごく少なく、分娩後の実家滞在は支援や経済面等から今後も数が増え長期化することが予測される。新生児期の初産婦への訪問は母乳哺育や育児への母親の姿勢を支えるために特に重要である事から、里帰り先で新生児訪問指導を受けられる制度が求められる。4か月児の母親の意識は、初産婦は児の世話に戸惑いや不安感を持ち、経産婦はイライラし疲れ余裕がなく、自分の育児を不十分・不適切と捉えていた。
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