日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2015
巻 :15
号 :1
頁 :39〜46

一般病棟において終末期肺がん患者に関与する看護師の戸惑い

木村 美香1

1群馬県立県民健康科学大学

目的:一般病棟で終末期肺がん患者に関与する看護師の戸惑いを明らかにすることであった。方法:データは11名の看護師に対する半構成的面接により収集し、KJ法を用いて分析した。結果:一般病棟で終末期肺がん患者に関与する看護師の戸惑いは、【多大な業務に追われる中での行き届かない終末期看護】【対応困難な呼吸状態の変調】【病名や予後、死にまつわる患者・家族の対応困難な言行】【家族からのクレーム】【他職種・同僚による患者と家族への配慮に欠けた推奨・看護】【長い間、看てきた患者の悪化していく病状と逝去】の6つに分類された。まとめ:一般病棟で終末期肺がん患者に関与する看護師の戸惑いを軽減するためには、治療を受ける患者に対する看護と同様に終末期肺がん患者への看護が重要であるとする組織文化を病棟に醸成することと、患者の死に関する戸惑いが放置してはならない早急に向き合うべき問題であることを看護師に理解してもらうことの2点が必要であると考えられた。
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