日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2016
巻 :16
号 :1
頁 :9〜16

成人男女の昼食前後の空腹感及び満腹感の実態 −VASの活用の可能性−

高田 由美1

1日本赤十字秋田看護大学

 本研究は、成人男女23人を対象に、Visual Analogue Scale(VAS)により空腹感と満腹感を測定し、 対象者がそのVAS値を決めるときの「もっとも空腹/満腹な状態」の具体的な表現を明らかにすることを 目的とした。この結果をもとに、VASで空腹感/満腹感を測定する方法を検討した。 その結果、健康な成人男女23人から、VASでもっとも空腹な状態は【気分不快】、【早く食べたい】、【空 腹で動けない】【指先の鈍い感じ】であり、もっとも満腹な状態は【お腹がいっぱい】、【満腹で苦しい】、【食べ過ぎて後悔】、【満ち足りて幸せ】という表現を示す項目が得られた。また、BMIが25以上の対象者は、 もっとも満腹の状態となったときに【食べ過ぎて後悔】の表現が多かった。 VASのもっとも空腹/満腹な状態の具体表現として付記することで、回答のし易さ、回答する対象者の 心理的な距離を極力等しくする可能性が示された。またBMIの群別によるVASの比較を検討する必要性が示唆された。
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