日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2016
巻 :16
号 :1
頁 :47〜52

助産師である実習指導者が母性看護学実習の実習指導に抱く想い −A施設におけるインタビューより−

小林 美穂1

1日本赤十字看護大学大学院看護学研究科国際保健助産学専攻

 助産師である実習指導者が母性看護学実習の実習指導に対して抱いている想いを明らかにすることを目的に、A施設において看護学生に実習指導を行ったことのある助産師3名を対象に半構成的面接を実施した。実習指導者が母性看護学実習に抱いている想いとして、【生命の尊さや母子の成長過程を実感することへの期待】、【母性看護学実習における学生の学びへの期待】、【学生と受け持ち母子との関係性】、【母子を対象とする看護を指導するうえでの困難や葛藤】、【学生の特性や個々の考えを尊重した関わり】、【母性看護学実習に臨む学生への印象や要望】が明らかとなった。結果より、実習指導者は、看護学生に対して、母性看護学特有の学びを期待していることが分かった。また、実習では、技術の習得よりも、母性看護を体験することで、面白さや楽しさを感じてもらうことを期待していた。そのため、実習指導者は、母性領域を経験できる数少ない機会に母性看護ならではの学びを伝えたいという想いを強く抱いていると考えられる。
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