日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2017
巻 :17
号 :1
頁 :35〜43

看護師の患者・家族の怒りへの対応の特徴

中川 典子1

1日本赤十字社幹部看護師研修センター

目的:患者・家族の怒りに対する看護師の対応の特徴を明らかにする。方法:看護師を対象に、患者・家族の怒りが終息に至った対応について複数ケースタディ・リサーチを行った。結果:7名のインタビューで得られた18事例から、看護師の患者・家族の怒りへの対応として以下の特徴が明らかになった。 患者・家族の怒りに対し看護師は、まず患者・家族の怒りを受け止め鎮静化を促していた。そして怒りが鎮まった後や怒りを鎮める対応と並行して、怒りの原因を見極め問題の解決を図る対応をしていた。そして、検討した解決策を患者・家族にフィードバックするとともに、看護師間で共有し、怒りの終息を促していた。さらに対応の最終段階として、怒りが終息したことを患者・家族に確認するという対応を行っていた。また日常的に患者・家族、看護師から情報をすくいあげ患者・家族に早期対応できる風土づくりや、怒りの原因となる嫌悪事象の発生を予防するための対応がされていた。
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