日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2018
巻 :18
号 :1
頁 :29〜37

感染予防において隔離をしている子どもと家族へのケア-小児病棟の看護師へのアクションリサーチを通して-

橋本 美穂1

1順天堂大学 医療看護学部

本研究は,小児病棟の感染予防について看護師と研究者が共に考える機会を創り,小児病棟の感染予防における意識とケアを変化させるプロセスを明らかにすることを目的としアクションリサーチを行った.具体的なアクションは「話合いの会」の開催であった.「話合いの会」を15回開催した.6回目に看護師が誰も参加しなかったことを受けて,7回目から勤務時間外へ変更した.7回目以降看護師同士が小児病棟の感染予防について意識しケアについて振り返った.看護師は入院時オリエンテーションの際,「病棟の決まりを分かりやすい言葉で伝えることが難しい」,「隔離をどのように説明するか難しい」と感じ,子どもや母親に説明することの不安や戸惑いを言語化した.「話合いの会」を繰り返し展開させることによって,看護師は小児病棟の感染予防へのケアについて自信を持ち始め,「お母さん目線に合わせた」ケアへと変化させた.さらに,思春期の子どもから発せられた「ばい菌扱いされている感じ」という言葉から,看護師は子どもの症状を看ながら医師と隔離の必要性について見通しを立てたケアへと変化させた.
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