日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2020
巻 :20
号 :1
頁 :61〜69

急性期病院における「高齢者看護コース」を修了した主任看護師の高齢者看護への認識の変化

清田 明美1、坂口 千鶴1、千葉 京子1、江見 香月3、渡邊 しのぶ1、泊瀬川 紀子2、窪田 裕子2、比留間 絵美3

1日本赤十字看護大学、2日本医科大学武蔵小杉病院、3日本赤十字看護大学大学院

 目的:「高齢者看護コース」を修了した主任看護師を対象に,コースの参加が高齢者への看護に関する認識にどのような変化を及ぼしたかを明らかにする. 方法:4名によるフォーカス・グループ・インタビューより,高齢者看護における認識の変化に注目して分析した. 結果及び考察:主任看護師は,【正常を重視する医療ではなく,生活者としての高齢者を尊重した看護の必要性】,【高齢者を全体として捉えるための幅広い情報収集と多面的なアセスメントの重要性】,【治療回復だけでなく,高齢者の視点から看護を判断する重要性】,【当たり前な日々のケアに高齢者を尊重する側面があることを意識づける重要性】,【ルーティンではなく,根拠を持って判断できる自律した看護師を育成する必要性】,【一人ではなく,チームで看護を共有し高める重要性】について認識を新たにしていた.主任看護師は,治療効果優先から高齢者の生活重視の視点へと変化し,根拠をもとに判断できる自律した看護師像を得ることにもつながったことが考えられた.
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