日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2020
巻 :20
号 :1
頁 :95〜101

認知症高齢者の体験に関する文献検討

岩原 由香1

1日本赤十字看護大学大学院 博士後期課程

 本研究は,国内外の看護学及び関連分野で,65歳以上の認知症高齢者の体験に関する研究の内容を当事者の視点から明らかにすることにより認知症高齢者のケアへの示唆を得ることを目的に,「認知症」「高齢者」「体験」「経験」を検索語として得られた12文献について検討した. 先行研究の結果は,軽度から中等度の参加者に対しては主にインタビューが行われ,重度の参加者が含まれる場合は,参加観察が用いられていた.認知症高齢者の体験は,認知症の症状に対する思い,認知症に伴う生活の変化への対処,個々の生活の場での思いに分類された.認知症高齢者は,認知症の症状を自覚し,発症に伴う変化に対して様々な思いを持ちながら,よりよく生きようと豊かな人生経験を生かして自分で生活を整えようとしていた.認知症高齢者のケアにおいて,認知症高齢者の思いを理解し,安心を与え,尊重するケアが重要であることが示唆された.
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