日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2020
巻 :20
号 :1
頁 :122〜127

民間精神科病院に勤務する看護師の学習の動機と現任教育への期待 ー病棟看護師と教育担当看護師のインタビュー調査からー

松本 佳子1、出口 禎子2

1日本赤十字看護大学看護学部、2北里大学看護学部

 本研究プロジェクトの最終目的は,民間精神科病院に勤務する看護師を対象とした継続学習のためのサポートのあり方の検討と改善である.本調査では,看護師の学習の動機と,教育担当の看護師の現任教育への期待ー現任教育によって病棟看護師のどのような変化を期待するのかーを明らかにすることを目的とし,3施設の病棟看護師及び教育担当の看護師を対象に計6回のグループインタビューを行った. 病棟看護師の学習の動機は多様であり,その背景には,日々のケアにあたって病棟看護師らが抱える人間関係の葛藤が横たわっていた.つまり,病棟看護師の学習の動機は,ケアの場での人間関係に対する葛藤と密接に関連していた.また,教育担当の看護師たちは,現任教育によって,看護師同士が人間関係の葛藤と向き合いながら,互いに学び合うことを期待していた.精神科での現任教育において,感情を共有する場から生じる対話を学習の基盤とし,経験の長い看護師の経験知を共有する機会を作ることが学びの場となることが示唆された.
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