日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2021
巻 :21
号 :1
頁 :18〜26

小児看護学実習における学生の「わかった!」というアハ体験ー学びへの転換ー

川名 るり1、江本 リナ3、吉田 玲子2、山内 朋子3、鈴木 健太3、楠田 智子4、筒井 真優美5

1神奈川県立保健福祉大学、2前日本赤十字看護大学、3日本赤十字看護大学、4日本赤十字看護大学大学院博士後期課程、5日本赤十字看護大学名誉教授

【目的】本研究の目的は小児看護学実習における「わかった」というアハ体験を学生の視点から明らかにすることであった.【方法】看護系大学の小児看護学実習で子どもと家族について「わかった」という実感を得た経験のある学生3 名にナラティブアプローチに基づくインタビュー調査を行った.【結果】学生らのナラティブから,1. 家族の時間軸が目の前で合致する「本当にわかった」体験,2. 子どもとの関係構築に「ハッ,そうだったんだ」と気づく体験,3. 子どもの声が聴こえた手応えで見方が「丸ごと変わる」体験が明らかになった.【考察】研究者らがアハ体験と捉えていた学生の「わかった」という体験は,共通して,小児看護学実習当初に抱いていた各々の悩みや戸惑いが劇的に変化する,学生にとっての学びへの転換であったことが明らかになった.
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