日本赤十字看護学会誌オンラインジャーナル


年度:2021
巻 :21
号 :1
頁 :74〜80

災害拠点病院のない地域におけるARCSモデルに基づく災害看護研修の試み

山本 孝治1、大重 育美1、苑田 裕樹1、福島 綾子1、姫野  稔子1、高橋  清美1、田村 やよひ2

1 日本赤十字九州国際看護大学、2前日本赤十字九州国際看護大学

 本研究では,災害拠点病院のない地域におけるARCSモデルに基づく災害看護研修の開催を試みたので報告をする.研修はインストラクショナルデザインのARCSモデルを参考に設計した.アンケートを用いた研修に対する評価では「災害時に活用できる情報が得られた」,「職場に伝達したい内容だった」の項目についてほとんどの参加者が「当てはまる」と回答しており,高い評価を得た.また参加者は研修を通して,自施設の課題を振り返る機会を得たことに加え,近隣の施設間での連携の必要性も実感していた.一方,災害看護に対する参加者のレディネスには個人差があり,学習ニーズについてもトリアージの実践や地域連携の在り方など多様であることが明確になった.引き続き地域の特性とニーズを考慮した研修を検討し,災害看護に関する現任教育支援について整備していく必要がある.
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