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大人に野菜摂取させるにはどのようなアプローチが効果的か?:指示とナッジによる行動変容の比較
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○竹林正樹1,吉池信男1 (1青森県立保健大学,2青森県産業技術センター)
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【目的】野菜摂取等の健康的な生活習慣への行動変容を促すアプローチを検討するため、合理的行動が求められている特殊集団の成人を対象として、「指示」と「ナッジ」のどちらが効果的かを対照実験により検証する。【方法】基地に所属する某国の軍人をターゲットとした。基地内のパーティーへの出席者300人を、テーブル毎に次の4つのグループ(各10~12テーブル)に振り分け、開始1時間後の各テーブルの野菜消費量を比較した。(1)対照群(放置型):何の介入もしない;(2)処置群1(指示型):上官が各テーブルを回り野菜を食べるよう指示する;(3)処置群2(ポジティブナッジ型):実験協力者が各テーブルで「野菜を食べると頭が良くなる」と言って野菜摂取を促す;(4)処置群3(ネガティブナッジ型):実験協力者が各テーブルで「生活習慣病を避けるために野菜は大切」と促す。【結果】野菜の消費量は、処置群2>処置群3>処置群1の順で、処置群1と処置群2の間で有意差が認められた。一方で、処置群1ではテーブル間のバラツキが小さく、「指示」による行動の同質化によるものと考えられた。【考察】合理的行動が求められている成人において、野菜摂取の増加には、ポジティブナッジが効果的であった。指示型では均一的な効果が得られるものの、望ましい行動変容にはつながりにくい可能性が示唆された。 |
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