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脳血管障害および神経難病疾患における在宅鍼灸ケアの効果
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○川田将吾1,有村博信1,山口賢2,大勝孝雄1 (1大勝鍼灸治療院プライマリィ,2大勝病院リハビリテーション科)
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【目的】在宅医療は医療提供の場が居宅であり、生活、人生とともにある医療であるため、QOLを最重視し本人や家族の意向を優先することが重要である。今回、脳血管障害および神経難病疾患における在宅鍼灸ケアの効果の指標として、精神状態、ADL、QOLの関連性を検討した。【方法】当院で在宅鍼灸ケアを施行している男4名、女12名の合計16名(年齢53~92歳、平均80.1歳)を対象とした。疾患名は脳血管障害10名、パーキンソン病5名、HAM1名である。鍼灸療法は、東洋医学的根拠により症状別に経穴を処方し、週に1回から3回45分間施行した。在宅鍼灸ケアの効果の評価は、2003年4月~12月までの8ヶ月間とした。精神状態をGeriatric Depression Scale; GDS、ADLをBarthel Index、QOLを厚生省委託研究「循環器病治療のQOLの評価」を用いた。Barthel Index とQOLの関連を検討し、あわせて初回評価と継続在宅鍼灸ケア後の評価と比較検討した。【結果】QOLとADLとの関連を検討した結果、スピアマンの順位相関係数r=0.82により有意な正の相関が得られた。Barthel Indexでは階段(5.94±2.02から6.56±2.39)、 更衣(6.56±2.39から7.5±2.58)の点数が増加傾向にあった。QOLでは嚥下 (5.63±4.03から6.56±4.37)、 記憶(6.25±4.65から7.81±3.67)の点数が増加傾向にあった。GDSでは6.81±3.6点から5.69±3.28点に減少し、抑うつ傾向が減少した。【考察】在宅鍼灸ケアによりBarthel Index、QOL、GDSの改善傾向は向精神作用により、身体的な愁訴の改善や生活・人生のモチベーションが強化され、ADL、QOLの向上したと考えられた。【結語】在宅ケアによるBarthel Index、QOL、GDSの改善傾向は、向精神作用により生活・人生のモチベーションが強化され、身体的な愁訴やADLが改善したと考えられた。 |
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