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平衡感覚とパーキンソン病の関連
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○岸本直樹1,稲次昌子1,片桐幹雄1,河村廣定1 (1神戸東洋医療学院)
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【はじめに】パーキンソン病は中脳黒質や大脳基底核におけるドーパミンの枯渇などが知られ、その原因の一つに遺伝子が関わるとされている。しかし、そのドーパミン枯渇の機序は十分に解明されていない。 パーキンソン病の症状は振戦、小刻み歩行、姿勢反射障害などが挙げられ、これらの症状は平衡失調にも見られることから両者の関連が推測される。 そこで、平衡感覚とパーキンソン病との関連を検討する目的で、平衡感覚障害に有効とされる内耳点刺激による四肢振戦、パーキンソン病への影響について調べた。【方法】平成16年6月から12月の間に神戸東洋医療学院学生臨床に来院したパーキンソン病患者2名を対象とした。治療は内耳点に観察される反応点を中心に全身を治療した。振戦の観察は方眼紙に描いた図形をペンでなぞった(図形描写)時の原図との相違面積を測定した。遮眼立位時の前脛骨筋の興奮を筋電計で測定した。両者の測定値を治療前後で比較し、月間平均値を経時的に観察した。また連続歩行距離等の問診調査の改善を調べた。【結果】図形描写で手の振戦を調べたA、筋電図の振幅で下肢の振戦を調べたBの両者は治療後改善を示した。両者を経時的に観察するとAは明らかに改善し、Bは改善の傾向を示し、歩行距離は増加を示した。【考察】パーキンソン病において手の振戦、足の振戦、あるいは運動能力が鍼灸治療によって改善したことはパーキンソン病の治療に鍼灸治療の適性を示す。また遮眼立位時の前脛骨筋々電図は平衡機能の測定法であること、内耳点施術の平衡機能への有効性から、平衡感覚障害がパーキンソン病発症に関わる可能性を示唆している。 |
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