ID:A00316-00010-10013
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第57回(社)全日本鍼灸学会学術大会

パーキンソン病に対する鍼灸治療の長期効果

○保科 貴洋1,水嶋丈雄1,小野里篤子1,長濱克昭1,篠原利枝子1

1水嶋クリニック NPO法人東洋医学研究所)

【目的】我々は第53、54、55回大会において、パーキンソン病に対する鍼灸治療の短期効果について報告してきた。この度は鍼灸治療併用群と薬物治療単独群の2群についてホーン・ヤール度とUPDRSについて長期成績を検討したので報告する。
【方法】パーキンソン病と確定診断されインフォームドコンセントの得られた症例を無作為に鍼灸治療併用群(1群)と薬物治療単独群(2群)に分類した。1群:症例数103例、平均年齢63.9±8.2歳、平均罹病期間5.1±1.1年、L-DOPA最大内服量186.0±134.0mgで鍼灸治療を併用した。2群:症例数100例、平均年齢64.7±9.8歳、平均罹病期間5.3±0.9年、L-DOPA最大内服量251.0±172.8mgで薬物治療のみとした。鍼灸治療は弁証に基づき01番ディスポ針を用いて月に2回から4回施術した。3ヶ月ごとにヤール度及びUPDRSII・IIIを測定した。
【結果】ヤール度において1群は発症後経年毎に平均1.0±0.1、1.1±0.2、1.2±0.4、1.2±0.4、1.3±0.4。2群は1.2±0.3、1.5±0.5、1.7±0.7、2.0±0.8、2.1±0.8となった。UPDRSIIにおいて1群は経年毎に平均4.1±2.6、5.8±3.8、6.4±4.4、7.6±4.6、7.6±5.0。2群は5.1±3.4、7.9±5.1、9.7±6.0、11.2±7.0、12.2±7.5となった。UPDRSIIIにおいて1群は経年毎に平均6.0±3.9、9.0±6.1、10.1±6.0、11.0±6.2、11.9±6.8。2群は8.1±4.7、12.0±6.9、15.0±8.7、16.8±9.3、18.2±9.8となった。いずれも発症3年次以降に有意差を認めた。(p<0.0001)
【考察】パーキンソン病において鍼灸治療の有用性はまだ確立されていないが、初期の病状より鍼灸治療を併用することにより長期におけるパーキンソン病の進行の抑制が示唆された。また、鍼灸治療併用群は薬物治療単独群より平均L-DOPA内服量が65mg少なく、鍼灸治療を併用することにより、L-DOPA内服量の抑制が示唆された。

Keywords: パーキンソン病; ホーン・ヤール度; UPDRS; 鍼灸治療併用群; 薬物治療単独群;


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