ID:A00316-00010-10201
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第57回(社)全日本鍼灸学会学術大会

パーキンソン病に対する鍼治療の臨床的効果の検討

○建部陽嗣2,江川雅人2,山口達之3,栗山長門3,山村義治1,苗村健治1

1明治国際医療大学 内科学教室,2明治国際医療大学 加齢鍼灸学教室,3京都府立医科大学 神経内科学教室)

【目的】パーキンソン病(PD)の治療において、薬物治療単独群と薬物治療に鍼治療を併用した鍼治療併用群の臨床効果を比較し、鍼治療の有効性を検討した。
【方法】対象: 06年9月から翌年11月の間に、明治国際医療大学附属病院神経内科および公立A病院神経内科を受診し、パーキンソン病(PD)と診断された13名で、「薬物治療単独群」6名と「鍼治療併用群」7名を設定した。鍼治療:曲池、合谷、太衝、太谿、足三里、三陰交、肝兪、腎兪を刺激点とし、ステンレス製40mm16号鍼を用いて10mm刺入し、置鍼術10分間を施した。鍼治療は1回/週を10週間行った。評価:パーキンソン症状は統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)を用いて神経内科専門医が評価した。歩行・バランス機能はTimed “up and go” test(TUG)、QOLはパーキンソン病専用QOL評価尺度(PDQ-39)、全身状態は演者らが作成した健康調査表により評価した。
【結果】鍼治療併用群の治療期間前後において、UPDRS値は31.3±14.8(mean±S.D.)から28.6±14.4へと減少した。TUGは17.4±8.4から12.8±5.0秒へと有意に短縮(p<0.05)した。PDQ-39値は72.0±30.7から38.6±18.2とQOLの有意な改善(p<0.05)が認められた。全身状態を示すスコアは、23.4±7.9から12.9±3.6へと有意に減少(p<0.05)した。薬物治療単独群との比較ではPDQ-39値と全身状態を示すスコアで有意な差(交互作用p<0.001)を認めた。
【考察と結語】鍼治療により振戦・筋固縮などのパーキンソン症状とともに歩行・バランス機能、QOLの改善が認められ、鍼治療はパーキンソン病の治療法として有効と考えられた。また、QOLの改善は鍼治療併用群において薬物療法単独よりも大きく、鍼治療が本疾患に併用する補完医療として有効であると考えられた。鍼治療ではパーキンソン病以外の症状も含めた全身症状の改善が認められ、QOL改善の一因と考えられた。

Keywords: 鍼治療; パーキンソン病; UPDRS; TUG; PDQ-39;


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