ID:A00316-00010-10294 |
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パーキンソン病後に脳梗塞を併発した1症例に対する鍼灸介入効果
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○北村公貴1,川田将吾1,大勝孝雄1 (1大勝鍼灸治療院 プライマリィ)
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【目的】血管障害性パーキンソニズムは比較的多くみられるが、本症例はパーキンソン病発症後に脳梗塞を併発している稀な症例である。鍼灸介入効果をみる目的で疾患特異的QOL尺度であるPDQ-39と SS-QOLを用い、良好な経過が得られたので報告する。【症例】71歳、男性。昭和55年にパーキンソン病を発症し、姿勢反射障害・寡動・自律神経障害が認められる。さらに平成15年に脳梗塞を発症し右片麻痺が認められる。Hoehn-Yahr stage:5、Barthel Index:40/100、Burunnstrom stage:上肢2・下肢3である。鍼灸介入期間は2005年3月~2007年12月までに1005日間で250回実施した。鍼灸介入前・後をPDQ-39、SS-QOLを用いて評価した。PDQ-39は得点の低値が良好、SS-QOLは得点の高値が良好な得点となる。選穴は曲池、梁丘、足三里、陽陵泉、巨闕、両天枢、水分、太谿、三陰交へ置鍼、曲泉へ施灸。脾兪、胃兪、三焦兪、腎兪、大腸兪、小腸兪、次\ryou\、志室に実施した。【結果】鍼灸介入前のPDQ-39は132/156点、介入後では127/156点になった。項目は、日常生活活動:23→22点、認知能力:12→11点、コミュニケーション:8→5点へ得点が減少した。鍼灸介入前のSS-QOLは74/245点、介入後では81/245点になった。項目は、元気さ:3→4点、言語:12→15点、移動:6→10点、気分:12→13点、社会生活:5→6点、思考・記憶:5→6点、視覚:5→6点へ得点が増加した。【考察・結語】本症例はQOLを著しく低下させる重大な疾患である。特にパーキンソン病は緩徐進行性の疾病である。長期間継続した鍼灸介入がQOLの維持に貢献できたと考える。 |
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