ID:A00316-00036-10230
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第61回(社)全日本鍼灸学会学術大会

047 2-O-3H-10:12

パーキンソン病に対する鍼治療の1症例

○田崎紗世2,福田晋平2,廣正基3,江川雅人4

1明治国際医療大学 大学院 加齢鍼灸学教室,2明治国際医療大学 大学院 鍼灸学研究科,3明治国際医療大学 健康・予防鍼灸学教室  ,4明治国際医療大学 加齢鍼灸学教室)

【目的】鍼治療により薬物治療の副作用として出現したジスキネジアの軽減を認めた1例について報告する。【症例】61歳男性。初診日X年4月15日。主訴:下肢の不随意運動(ジスキネジア)。現病歴:X-7年、姿勢の悪化を自覚し近医を受診、パーキンソン病(PD)と診断された。L-ドパによる薬物治療により症状の軽減が見られたが、次第に薬効が減弱し、投薬を増量した。X-1年左下肢に不随意運動を認め、副作用としてのジスキネジアと診断された。X年4月、明治国際医療大学附属京都駅前鍼灸センター「PD鍼灸治療専門外来」に来院した。所見:ジスキネジアは両下肢にみられるが、特に左下肢に強く、自発痛と睡眠障害を伴う夜間痛が認められた。下肢の不随意運動に対して1~6診目は風市、伏兎、血海、梁丘、足三里、陰陵泉、三陰交に置鍼術(40mm16号ステンレス鍼)を行った。7診目からは風市-足三里に低周波鍼通電療法を追加した。鍼治療頻度は週1回とした。【結果】91日間に12回の鍼治療を行った。1~6診目はジスキネジアは治療直後に消失し1日程度持続した。低周波鍼通電療法の追加によりジスキネジアの軽減が2-3日間持続した。また鍼治療の経過に伴い自発痛や夜間痛が消失し、睡眠状態も改善した。UPDRS(108点満点)で評価したPD症状は49→38点になり客観的に改善が示された。大腿四頭筋筋力は両側で向上、TUG(普通速度)は10.5→6.8秒、歩幅は54→70cmと運動機能の改善が示された。抑うつを評価したGDS値は23→10点、QOLを評価した PDQ-39値(156満点)は80→41点となり、いずれも改善が認められた。【考察】ジスキネジアはL-ドパの副作用として出現し、日常生活動作に支障をきたし、QOLを著しく低下させる要因となる。本症例よりPDに対する統合医療の1つとして鍼治療の有効性を示した1例であると考えられた。

Keywords: パーキンソン病; ジスキネジア; 不随意運動; 鍼治療; 日常生活動作;


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