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在宅鍼灸治療により長期観察できたパーキンソン病1症例の報告
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○北村公貴1,大勝孝雄1 (1(株)プライマリィヘルスカンパニー 大勝鍼灸整骨院プライマリィ 在宅支援事業部)
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[目的]パーキンソン病は中脳黒質から線条体へ投射する神経伝達物質であるドパミンの枯渇によって,振戦,固縮,無動,ジスキネジアなどの運動障害に加え,抑うつなどの精神症状や,自律神経症状を呈し患者のQOLを著しく低下させる要因となる.2005年,本学会九州大会にてPDQ-39と寺澤の東洋医学スコア(気虚・血虚・\o\血)の関連を報告した.今回,パーキンソン病患者1症例に対し在宅鍼灸治療を7年間継続実施した結果をPDQ-39と東洋医学スコア(気虚・血虚・\o\血)のツールを用いて報告する.[方法]対象はパーキンソン病患者72歳,女性.罹病期間13年,Yahrの重症度分類は4である.鍼灸治療は百会,三陰交,太衝,肝兪,腎兪,関元等を基本穴とし置鍼,知熱灸を2回/週30分間施行した.PDQ-39および東洋医学スコアの評価は2005年4月に初回評価し,2012年12月に再度評価し比較した.[結果]PDQ-39は2005年73点から2012年78点,気虚は2005年40点から2012年50点,血虚は2005年44点から2012年40点,\o\血は2005年17点から2012年25点となった.[考察]PDQ-39は39項目5段階評価でありパーキンソン病の日常生活動作や精神状態をより抽出するQOL評価であり高得点ほどQOLの低下を示す.気虚,血虚,\o\血は東洋医学の証の結果を表す.気虚は30点以上を気虚とするが40点から50点に増加.血虚は30点以上を血虚とし44点から40点と改善した.\o\血は40点以上を重症の\o\血病態,21点以上を\o\血病態,20点以下を非\o\血病態としている.17点から25点と増加し\o\血病態であった.PDQ-39の評価は維持していた.また気虚,血虚,\o\血の証も変化が少なかった.[結語]今回,長期間にわたり鍼灸治療を継続した結果,PDQ-39,気虚,血虚,\o\血の評価が7年間も経過しているにも関わらず病態維持が可能だった.鍼灸治療は進行性病変のパーキンソン病の長期間の維持管理に貢献すると考える. |
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