ID:A00316-00040-10126
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第64回(公社)全日本鍼灸学会学術大会ふくしま大会

2023-P-T2-09:12

パーキンソン病患者の鍼灸治療直後の運動機能評価

○金井正博

1鍼灸木更津杏林堂)

【目的】背景:パーキンソン病(PD)は神経難病の中では有病率が高い。臨床的には安静時振戦、筋強剛、動作緩慢によって評価される進行性疾患であり、姿勢の不安定性と歩行障害が発生し転倒傾向は増大する。これらの身体状況はQOLを悪化させる。PD患者に対する鍼灸治療は、運動症状をはじめとして自律神経症状、精神症状および随伴症状を対象に行われている。今回、運動機能評価を目的に鍼灸治療を行い、治療前後の歩行状態を評価し検討したので報告する。【方法】:一年間に当院に来院したPD患者で、薬物治療に鍼灸治療を併せて行った者18例(男性9例,女性9例)。平均年齢64歳±18歳を対象とした。直前二ヶ月に目眩や失神を伴う転倒を経験している者、車椅子使用者は除外した。被検者には本研究の目的及び測定内容を説明し本研究の同意を得た。方法は歩行テストを治療前後に3m timed up & go(TUG)を3回、2min Walkingを1回行い、平均値を出した。併せてPD症状についてVAS評価した。鍼灸治療は週一回を原則とし、診断は経絡治療にて証をたて経穴を決定。経絡治療の証に従った基本穴に加え、天柱、風池、大椎、外関に浅刺する。使用鍼は30mm12号鍼ステンレス。足三里施灸5壮。【結果】治療前後の測定結果は、TUG:良好17例、不変1例。平均14.18→12.30秒。2min Walking:良好14例、不変1例、悪化2例、平均54.67→ 59.44m。VAS評価:良好16例、不変2例、悪化1例、平均57→36mm。【考察】治療直後の歩行結果は16例に効果が認められた。TUGは、歩行だけでなく複合的な運動機能や高次脳機能を評価でき、2min Walking は、歩行能力のテストで主に運動器の状況を評価できる。これらのことより、姿勢容姿(歩幅、腕の振り、胸の張り)が改善され運動機能維持の向上がみられたと推測する。VAS評価からQOLの改善が示唆される。【結語】伝統的鍼灸治療により、PD患者の治療直後の運動機能維持と転倒予防に改善効果がみられた。

Keywords: パーキンソン病; 歩行テスト; TUG; 2min Walking; VAS;


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