ID:A00316-00041-10002
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第65回(公社)全日本鍼灸学会学術集会 北海道大会

25 12-S-D2-14:30

瞬目反射に対する合谷穴への鍼刺激の影響

○玉田蓮1,二本松明1,川浪勝弘1,工藤匡1,原田泉1,笠井正晴1

1北海道鍼灸専門学校)

【目的】瞬目の役割は主として涙液の維持など眼表面の問題として理解されてきた。しかし、顔面神経麻痺やジストニアやパーキンソン病など、瞬目の異常を起こす疾患は多くある。本研究では瞬目機能の指標である瞬目反射に対する鍼刺激の影響を検討する目的で、顔面部の症状に有効とされる合谷穴を刺激部位として検討した。【対象及び方法】安定的に瞬目反射が出現した健康成人6例(男性5例、女性1例、年齢20~40歳)とした。実験は各被験者ともに鍼刺激を行う実験(以後鍼刺激)、鍼刺激を行わない実験(以後無刺激)を行った。瞬目反射の測定は安静閉眼で、前頭部の右眼窩上神経を0.1Hzで5回電気刺激した際、眼輪筋から得られる誘発電位を記録した。記録した波形より右のR1(潜時10ms)と左右のR2(潜時30ms程度)を計測し、それぞれの潜時、振幅、持続時間(R2成分のみ)を解析した。鍼刺激は右合谷穴に、直径0.18mmの鍼を約10mm刺入し、置鍼した。統計解析は一元配置分散分析、Bonferroniの多重比較検定を行った。 【結果及び考察】無刺激、鍼刺激ともに右R1には大きな変化がなかった。R1は眼窩上神経-橋-顔面神経を経由する電位である。このため鍼刺激はR1成分を起こす求心性神経や遠心性神経に対し直接的には影響しないと考えられる。また無刺激では左右のR2に大きな変化がないのに対し、鍼刺激では左右ともに潜時延長、振幅減少、持続時間の短縮が認められた(p<0.05)。R2は、眼窩上神経への電気刺激が橋から三叉神経脊髄路を延髄まで下行し、三叉神経延髄路核、橋や延髄の外側網様体を経由し、両側の顔面神経核へ至る多シナプス経路で起こる電位である。合谷穴への鍼刺激は脳幹レベルでの介在ニューロンの関与や、より上位の中枢神経系を介しR2を抑制した可能性があると考えられる。以上の結果は、顔面痙攣やパーキンソン病、ジストニアなど瞬目反射の亢進しうる病態に対して応用できる可能性があると考える。

Keywords: 鍼刺激; 合谷穴; 瞬目反射;


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