ID:A00316-00043-10052 |
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1552-P-E201-14:00
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多系統萎縮症の一症例
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○金井正博1,2,金井友佑1,2,岩崎真樹1 (1木更津杏林堂,2素問八王子クリニック)
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【目的】多系統萎縮症の中でもMSA-Cは高頻度に見られ、小脳性運動症状を初期症状とし、進行するにつれ、パーキンソニズム、自律神経症状も出現する。パーキンソン病と比べ、進行が早く、抗パーキンソン病薬が効きにくく、末期には寝たきり状態になる神経難病である。根本的な原因は不明で、根治的治療はなく、対症療法が中心。今回、本症例における鍼灸治療と呼吸法を併せた治療を行い検証してみた。【症例】59才女性 主訴:歩行障害。X年10月ふらつきが気になり、パーキンソン症候群を疑い、X-1年9月近位の専門病院に検査入院しMSA-Cと診断される。治療や薬の投与はなかった。当院にX-1年10月来院、1週から2週に1回来院。症状は歩行時ふらつき、構語障害があり呂律が回らなく、書字困難、足の冷え、便秘、頚、肩の凝りを訴える。鍼灸治療は脈診、腹診より肝虚証の証を立て経絡治療本治法にて施術を行う。 併せて呼吸法の指導を行う。治療後、歩行(3mTUGと2min Walking)、握力テストを行った。【結果】X-1年10月よりX-2年11月まで39回来院。歩行テスト1診目と33診目まで7回計測し、初回と7回目の比較は3mTUG、9.16秒→9.14秒。 2min Walking 81m→90m。握力右19→18 左13→17。滑舌の軽減、足の冷えも改善みられた。【考察】歩行及び握力は現状維持を保ったことより、鍼灸治療は、筋力の低下を防ぎ症状の進行を抑える効果があるのではないかと推測する。結果、現在も仕事を続けている。患者が自らの病気を理解し、日常生活の中で、自らも積極的に取り組むリハビリテーションとして呼吸法は簡単に実行可能であり、リラクゼーション効果もある。しかし、現状維持が保たれたとしても、進行とともに機能が急速に低下していく疾患なので楽観視できない。【結語】歩行や自律神経症状の現状維持をめざし、鍼灸治療に併せ呼吸法などのリハビリテーションを治療に取り入れることは有用であると考える |
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