ID:A00316-00046-10090 |
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035-中枢神経
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長期間鍼治療を継続したパーキンソン病の1症例
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○鎌田信太郎1,浅井紗世1,浅井福太郎2 (1NPO法人 地域統合医療ネットワーク,2九州看護福祉大学 看護福祉学部 鍼灸スポーツ学科)
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【目的】X-5年から鍼治療とセルフケアを行い、X-4年にパーキンソン病の運動器症状に対し効果が見られ、本学会でも報告をした。その後も3年間鍼治療とセルフケアを継続し、その結果を報告する。【症例】80才男性。主は頭重感、肩痛、腰痛。【現病歴】X-5年から鍼治療とセルフケアの併用を行うことで運動機能に効果がみられ、パーキンソン症状の悪化も防ぐことができていたが、すくみ足や転倒が多くなり、X-1年に介護認定を受けて要支援1となった。X年に今後も歩行機能の改善や痛みの悪化を防ぎたいと鍼治療の継続を希望された。【評価】パーキンソン症状の評価はUPDRSを用い、痛みの評価はVASを用いて行った。運動機能の評価は握力、FFD、片足立ち、5m歩行、TUGの5項目を実施した。治療開始時、セルフケアの介入後、X年の計3回評価を実施した。【治療】筋緊張緩和を目的に全身に鍼の単刺術を行った。また、可動域改善、筋力向上を目的にストレッチと筋力トレーニングも行った。セルフケアとしてストレッチを継続してもらった。【結果】VASに関しては治療開始時の肩痛は58.0mmだったのに対し、X-4年は61.6mm、X年は46.5mmと変化がみられた。運動機能に関しては治療開始時の5m歩行は3.80秒、TUGは12.00秒だったのに対し、X-4年は3.65秒、8.50秒と変化がみられたが、X年は5m歩行、TUG共に歩行困難により測定不可となった。UPDRSに関しては治療開始時の総合点数は27点、X-4年は23点、X年は52点と変化がみられ、日常動作や運動機能検査の項目が悪化していた。【考察】今回の症例では5年間鍼治療とセルへケアを継続した結果、痛みのコントロールはできていたものの、日常動作や運動機能が悪化していることが分かった。この結果から日常動作や運動機能に対してのアプローチを重点的に検討していく必要があることが分かった。そのため、食事療法や身体機能面に対しての運動療法を取り入れて行きたい。 |
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