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第20回日本老年脳神経外科学会

薬剤難治性パーキンソン病高齢者患者に対する外科的治療戦略

○上利崇1,松井利浩1,藏本智士1,近藤聡彦1,伊達勲1

1岡山大学大学院 脳神経外科)

薬剤難治性パーキンソン病に対し、脳深部刺激療法(DBS)が盛んに行われ、有効であったとの報告が数多くなされている。近年の高齢化社会を反映してDBSを必要とするパーキンソン病患者にも高齢者が数多く存在しており、その治療戦略について我々の経験から考察する。1999年10月から2006年12月までに当施設で行った視床下核刺激術(STN-DBS)84例のうち、70歳以上の症例は15例であった。この中で興味ある症例を提示する。症例1は75歳(手術時)女性、70歳時に右上肢の安静時振戦で発症した。74歳時にパーキンソン病と診断され、薬物療法が開始されたが、嘔気のために、薬物療法の継続が困難であった。右粗大安静時振戦により日常生活に支障をきたしたため、外科的治療の目的で当科紹介となった。左上肢には精神的ストレスによりわずかに誘発される固縮があったが、歩行障害は認めなかった。手術時75歳と高齢であり、病状は進行性で、薬剤は副作用のために全く服用できず、将来のパーキンソン病の進行を考慮して、両側STNに一期的に電極を留置した。まず左STN-DBSを開始し、右振戦は消失した。その1年後に左上肢に粗大安静時振戦が出現したため、右STN-DBSを開始し、左振戦は消失した。症例2は73歳(手術時)女性、64歳時に左上下肢の振戦で発症し、薬物療法がなされたが、wearing-offによる歩行障害が強いため、外科治療目的で当科紹介となった。術前のMRIで脳萎縮を認めていた。両側のSTNに電極を留置する際に大量の髄液漏出があり、術後に著明な気脳症を呈した。高齢者パーキンソン病患者の外科的治療適応の判断においては、病状の進行具合と全身状態、頭蓋内器質性病変の有無、精神症状、認知機能等を総合して個別に検討する必要がある。

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