ID:A01794-00018-11002
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第23回全国介護老人保健施設大会 美ら沖縄

新規利用者獲得に向けて・・

○太田孝夫1,加野容子1,須田明敬1,関原彩乃1

1介護老人保健施設 ウイング)

【はじめに】
ウイングが開設された平成11年当時を振り返ると、新規顧客からの問い合わせは、ただ待っていれば来る時代であり、待機者確保に困ることもなかった。しかし現在、介護老人保健施設の数は、東京都内だけでも167箇所(平成24年3月現在)となり、また近年では、比較的安価で利用できる有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅なども充実し、顧客にとっては選択の幅も広がり、事業者にとっては競合が激化している現状にある。特に室料差額負担が可能な希望者や、医療的ニーズが低く要介護度も軽い希望者となれば、老健間での獲得競争も激しく、新規顧客の獲得が非常に難しくなってきていることを日々痛感しており、いかに新規顧客を獲得できるのかということが、今後、稼働率を維持していく為のひとつの重要課題であると考えている。
これまでの部門内での新規獲得に向けた営業活動は、以下の通りであった。
(1)FAX営業(医療機関・居宅支援事業所に向けたFAX営業、不定期実施)
(2)挨拶回り(特に近隣でお世話になっている医療機関や居宅支援事業所約10箇所に、お歳暮・お中元時期に挨拶と併せて営業活動を実施)
(3)口頭営業(新規電話相談時に空き状況を伝える、特に取り決めなく不定期実施)
上記活動においては、成果が得られなかったわけではなかったが、取り組む上での意識は高いとはいえず、また、結果をふまえた考察・改善活動も、積極的になされていたわけではなかった。
そのような中、平成23年9月から法人全体に導入された「マネジメント強化プログラム」において、重点課題に対する取り組みとして具体的な行動計画を立て、行動実績を振り返りながら、改善に取り組む活動を実施することとなった。
【目的】
入所行動計画:効果的な営業を展開し、即応ケース確保を目指す
具体的な営業方法:口頭営業
(新規電話相談時等、関係機関との電話相談時に、空き情報の情報提供を行うこと)
これまでも実践していなかったわけではなかったが、部門としての意思統一や、活動する上での取り決めもなく、個々のスタッフに一任して実施してきた為、今回の取り組みを開始するにあたっては、まず、目標値と説明方法を取り決め、共通の行動計画として取り組んでいく事とした。
【活動結果】
数値目標:平成23年10月・口頭営業15件/月(各スタッフ1人5件)より開始した。
10月…行動計画について支援部門内スタッフに説明し、口頭営業の実践を開始した。
行動実績:口頭営業41件 → 成果:紹介件数8件
☆口頭営業の有効性があると判断し継続実施をしていくこととした。
11月…行動実績:口頭営業35件 →  成果:紹介件数10件
☆導入できたことを確認し、必要な入所件数から逆算し、スタッフごとの営業活動の目標数値の見直しを実施した。
⇒部門目標:50件/各スタッフ:1人15件・主任:5件
12月…行動実績:口頭営業54件 → 成果:紹介件数12件
☆数値目標達成しさらに実施したスタッフ・目標未達成のスタッフと、実践上のばらつきが数値に表れたことを課題と捉え、助言を受けて、スタッフ毎の行動計画表を作成し、行動実績をふまえながら次月の課題を設定していくこととした。
1月…行動実績:口頭営業67件 → 成果:紹介件数26件
2月…行動実績:口頭営業77件 → 成果:紹介件数40件
3月…行動実績:口頭営業66件 → 成果:紹介件数43件
【考察】
・営業効果により、紹介率が向上し、問い合わせ件数が維持でき始めた。
・これまでにも、複数紹介が得られている事業者はあったが、活動実施後、同事業者からの紹介件数が増加した。
・適した環境への退所支援を強化したこともあり、例年にない退所者数となったが、11月以降、稼働目標はなんとか達成できた。
【まとめ】
・営業活動の実践において、具体的な行動目標・行動計画があることで、達成したかどうか・どのような成果が得られたか、が示され、課題の明確化・達成感の実感が可能となったことで、スタッフの新規獲得に向けた意識が変わってきており、日々、主体的に取り組んでいる。
・営業活動は、新規獲得だけが目的ではなく、関係事業者との信頼関係の構築も重要な課題であるということを、これまで以上に認識し、積極的なコミュニケーションに努めている姿勢が見られ、その成果として活動の中でスタッフ個々において、各事業者との関係性が少しずつ深まりつつある。
・今後の課題として、問い合わせの全てが施設利用に結びつくわけではない為、関係性が深まってきている事業者から、施設での受け入れができる範囲・即時の受け入れが可能なケース像について理解を深めていただく活動を実施し、同時に、スタッフ個々のアセスメント力の強化を図り、事業者間相互にとって、またご利用希望者・ご家族にとって効率的・効果的な連携に努めていく必要がある。
【終わりに】
今回「マネジメント強化プログラム」という経営管理ツールを学習・導入し、その活動中においてもコンサルからのサポートを受け、部門として成長する機会を得られたと感じている。今後も広い視点での学びを深めながら、さらなる課題解決を図り、より充実した活動の実践に向けて行動していきたい。

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