ID:A01794-00020-10722 |
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16-第2-I2-1
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口腔ケアについて
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○根岸恭兵 (1介護老人保健施設 アゼリア)
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【はじめに】 経管栄養の利用者の口腔内を評価した際に、痰の付着、口臭、口腔内乾燥などがみられることがあった。利用者に合った口腔ケア用具を選定することで、口腔内環境の改善が図れるのではないかと考えた。 【目的】 介助にて口腔ケアを行っている利用者の口腔内環境の向上。 【取り組み内容】 (1) 全介助にて口腔ケアを行っている利用者のケア方法、口腔内状況を調べた。 (2) スタッフへ口腔ケアについての聞き取りを行った。 (3) 道具の選定を行った。 (4) 選定した道具で口腔ケアを行い、口腔内環境の再評価、スタッフへ道具使用についてのアンケートを実施した。 【結果】 (1) 舌苔4名、歯の汚れ3名、口臭2名、痰の付着2名、口腔内乾燥3名を認めた(重複者あり)。 口腔ケア時の問題点として、開口の保持が困難、かみつき、口腔ケアの拒否による口腔ケアのしにくさがあった。 スタッフにより口腔ケア方法が異なることがわかった。ガーゼや歯ブラシを使用していた。 (2) 「ガーゼにて口腔内清拭を行っているが、口を閉じてしまいやりにくい」 「口腔ケアを行っても痰が再び付着してしまう」 「ガーゼでは、舌苔が取り難い」などの意見が聞かれた。 (3) 利用者に合わせてスポンジブラシ、モアブラシ、口腔ケアブラシ、うがい薬、保湿剤、指歯ブラシを選定した。 (4) 口臭や舌苔などの軽減がみられ、アンケートでは、利用者に合った口腔ケア道具の必要性を感じるなどのコメントがあった。 【考察】 現状の口腔ケア用具では、適切な口腔内環境の維持が困難だと思われた。スタッフが口腔ケアのやりにくさや、口腔内汚染を感じていても、ほぼ同一の口腔ケア用品を使用していることが分かった。口腔内環境の向上のためには、適切な道具選びが必要だが、口腔ケア用品を選ぶ環境がないことにより、ほぼ単一の道具でのケアになりやすいと思われた。今後は、今回選定した用具を使用し、口腔内環境の改善、口腔ケアのやりやすさなどを評価し、それをもとにスタッフが利用者に合わせた口腔ケアを選択しやすいよう、用具を選択しやすい環境を作ることが口腔内環境の向上に繋がると考える。 |
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