| ID:A01794-00021-10364 |
|
|
4-第14-R8-6
|
|
老健における在宅復帰支援
|
|
○伊澤美奈子1,佐々木久美子1 (1介護老人保健施設 シルバーピア加賀)
|
|
【はじめに】 平成24年4月の診療報酬・介護報酬ダブル改定において、介護保険施設サービス費の見直しが行われた。在宅強化型老健への介護報酬が引き上げられたことで、老健施設の間では従来型から在宅復帰支援をより前面に押し出した強化型へ移行する動きが出てきた。加えて近年の在宅介護サービスの充実に伴って、サービス利用者側からの在宅復帰支援へのニーズは高まると予想される。時代のニーズに応えるために、在宅復帰を達成する上で必要なことは何であるか、施設内外との連携を図る相談員の立場でできることは何かを探った。 【実際】 当施設における平成25年度退所者データを用い、在宅復帰に結びついたケースの統計結果をもとに、より在宅復帰を達成しやすいと思われる新規入所者3名を対象とした。在宅復帰に向けてのアプローチを行うにあたり、在宅復帰へのプレッシャーがご利用者や介護者の負担とならないよう、訪問やカンファレンスを実施し双方へのこまめな意向確認を取り入れた。入所期間や最終的な退所先についてはご利用者及びご家族の希望にできる限り沿うこととした。 【考察】 当施設25年度の在宅復帰者24名についての統計結果は次の通りである。 在宅復帰に男女差や年齢差はない。要介護度2が在宅復帰者4割以上を占めていたが、要介護度5であっても在宅復帰をした例が2件。認知度は軽度で寝たきり度は移乗、食事、排泄を自力で行える程度。家族が同居または近隣に住んでおり、介護者がご利用者に近い関係かつ比較的若い年齢層、介護協力者が居たほうが在宅介護に踏み切りやすい。入所期間は3ヶ月を超えると在宅復帰率が大幅に減少した。 以上の現状を踏まえA、B、C様の3名を対象者とした。 A様のケースではご家族ご本人ともに在宅復帰を希望されていたが、ご家族側に在宅復帰への明確なビジョンを提案することができないまま、退所に向けての話し合いを進めてしまった。ご本人は「本当は自宅に帰りたいが家族の言うとおりにする」と話された。ご家族は在宅介護困難と判断し、A様はリハビリの結果当初の目標である杖歩行を達成できたものの、有料老人ホームへ入所することとなった。 B様のケースでは入所時点で在宅復帰の予定はなかったものの、入所後にご本人より自宅に帰りたいとの強い希望があった。ご家族にB様の意向を伝えたところ暖かい時期の在宅復帰を検討して頂けることとなり、現在リハビリを継続されている。 C様のケースではご家族ご本人ともに在宅復帰を希望され、入所前にケアマネージャーとのカンファレンスの機会を設けることができた。その際、退所後に利用予定のショートステイサービスや、ご自宅近くのかかりつけ医への受診の予定、具体的な退所予定日などを話し合った。施設入所中に認知症状の進行や居室内での転倒あったが、ご家族の在宅復帰への意思は変わらず予定通りの退所となった。 【総括】 入所段階で退所後のビジョンを明確化できたことが、今回C様の在宅復帰への足がかりとなった。 身体機能の向上を目標に在宅復帰を目指す利用者が多い中、実際のところはご本人や介護者であるご家族の心理状態が大きく影響している。 ご家族やご利用者の心情、ニーズを把握した上でケアプランを作成し、入所中もこまめにコミュニケーションをとってリアルタイムでのそれぞれの心情や環境の変化を読み取り、相談員がご家族、ご利用者、各部署とのつなぎ役になることが、在宅復帰への手助けとなるだろう。そのためにも相談員には入所段階からご家族、ご利用者双方との「何でも話せる」関係づくりにつとめることが要求される。 ご本人のリハビリ意欲を維持するための明確な目標設定、ご家族の感じている在宅介護への不安軽減を目的とした傾聴、何より介護者及びご利用者の状況を理解したうえでのニーズに沿った提案を行うことが、在宅復帰に結びつくポイントと考えられる。 |
ご要望はこちらの問い合わせフォームにご入力ください。