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27-第09-O4-2
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ノロウイルスの経験をもとに再発防止に努めよう
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○須永茜1,高橋由佳1 (1介護老人保健施設 シルバーピア加賀)
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【はじめに】 当施設においてノロウイルスによる急性感染性胃腸炎の集団感染が発生し、利用者様18名が発症した。 介護の視点を中心にフィードバックしたいと考え、対策や問題点を見出すことが出来たのでここに発表する。 【目的】 今回の感染から学んだ、ノロウイルス症状の発生に対する振り返り。 集団感染時の対策と問題点の把握。 介護の立場からみえた感染対応による隔離中の転倒事故や精神面のケア、及び薬物療法の必要性。 【研究方法】 研究期間:平成28年7月1日~10月31日 研究場所:当施設3階 研究対象:当施設3階の利用者様(感染者18名、疑い者18名、健常者11名) 職員(医師2名、看護師10名、介護士15名 研究方法:アンケート、聴取、データ資料 【結果】 ・感染の経過 1月20日利用者様5名が発症し、ノロウイルスによる、急性感染性胃腸炎の集団感染と医師より判断された。感染者多数となった為、保健所、区へ報告を行い、27日までに感染は18名まで拡大した。2月1日以降は新規発症者なく経過した為19日、区への最終報告を行い終息宣言となった。 ・精神不安定と転倒事故 1.感染による居室内隔離により、興奮状態が徐々に強くなりドアノブを壊すまでに至った為、抗精神病薬が定時内服となった。 2.感染により、点滴施行のためオムツ対応に変更していた事への認識不足から、ベッド脇にて転倒し大腿骨頸部を骨折した。 ・職員アンケートの実施(図1、2参照) 「感染経路は何だと考えられるか」の問いに、職員の42%が「持ち込み」28%が「接触」12%が「初期対応」と回答した。その他、「職員が感染していた」「面会者が感染していた」等の回答もあった。 「不便・ストレスに感じたこと」の問いに、約半数の職員がベランダに関する不便さを挙げており、「ゴミ出し」も含 めると、外に関する事で約7割の職員がストレスに感じていたことが分かった。 【考察】 拡大してしまった経緯は、ノロウイルスと断定して対応するのが遅れてしまった為と考えられる。高齢者に普段からみられる。 体調の変化と認識してしまい、感染対応ではなく普段通りの対応をしてしまった。ノロウイルスでは噴水状の嘔吐が見られやすいといった典型的な症状にとらわれ、持ち込みを原則禁止としている、という職員の認識の甘さが今回の感染における大きな反省点である。 職員を限定した事で排泄介助や嘔吐処理、隔離部屋の消毒にばかり注意がいってしまい、利用者様の心のケアまで十分に行なえていなかった。その結果、精神不安定による薬の内服や転倒事故も発生してしまったのではないかと考えられる。居室内に入らなくとも外からの声かけや細かな巡視が必要であり、しかしそれを行なう為にはフロア職員だけでは足りない状況であったのも事実である。 職員アンケートから、多くの職員が感染経路を「持ち込み」だと考えていることが分かったが、これは振り返りを行った事で気付けた点であり、終息した後にフロア内において振り返りを行なう事の大切さを再確認出来た。また、不便・ストレスに感じたこととして「ベランダ関係」が多く挙がったが、これらの問題に対しては、対応してい中で職員から色々な案が出され、結果として導線部屋を作るという工夫に至った。また、職員1人1人が感じる問題点は様々だと分かり、職員のストレスマネジメントの必要性も考えさせられる結果となった。 【まとめ】 発生から最後の発症まで10日間に抑えることができたのは、職員が一丸となり対応の工夫や情報共有をする為の伝達方法の簡潔化を協力した事で成しえたと評価できる。この経験をもとに、介護の目線からノロウイルスと感じたら自信をもって発言し、医師や看護師・他職種など連携を取り合い迅速に確実に行動し再発防止に努めたい。 |
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