ID:A02024-00006-20131
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第13回日本抗加齢医学会総会

認知症の治療

○三輪英人

1順天堂大学医学部附属練馬病院脳神経内科)

超高齢化社会を迎えつつある現在、認知症の予防、早期治療は大きな臨床的課題である。認知症発症の最大のリスクは加齢であることから、その発症予防の最もリズナブルな戦略はアンチエイジングであると言えるかもしれない。概して生活習慣病は直接・間接的に健康維持の障壁となるので、認知症のみならずどのような疾患に関しても負の要因となるであろうことは理解しやすい。特に糖尿病、高血圧、高脂血症は動脈硬化の進行に寄与し脳環境を著しく悪化することは容易に想像できる。多発性脳梗塞だけでなく脳小血管病の合併によってもアルツハイマー病およびパーキンソン病に合併する認知機能低下は加速する。さらに、疫学的データからは認知症と糖尿病との関連性が明らかにされおり、耐糖能低下およびインスリン抵抗性がアルツハイマー病の老人斑形成メカニズムと関連することが示唆されている。これらは、糖尿病や高血圧の管理が認知症予防に結びつくのではという期待を高める。同時に、早期からの薬物治療介入の効果も期待されている。アルツハイマー病に対して、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の投与、さらに認知症の進行に際してメマンチンを追加するトレンドは認知症ガイドラインでも推奨されている。中等度に認知症が進行している場合、特に攻撃性や行動障害がみられる場合にはメマンチンで開始することも可能である。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンは、血管性認知症やレビー小体型認知症に対しても有効性が示されている。特に、レビー小体病およびパーキンソン病においては、認知症のみならず種々の問題症状(非運動症状をふくむ)に対してもメマンチンの効果が報告されている。同病の背景病態にグルタミン酸神経伝達の過剰が存在していることから、メマンチンのNMDA受容体拮抗作用が好ましい影響を与え得る可能性が推定されている。

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